MIKROKOZMOSZ   Shinichi Nakazawa

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中沢新一『ミクロコスモスT』『ミクロコスモスU』

 

■本書の内容

『ミクロコスモスT』『ミクロコスモスU』は、人類学者の中沢新一さんがここ数年のあいだに、新聞や雑誌、コンサート・プログラムなどに発表した評論、エッセイ、講演録を集めたものです。

おおぜいの人に向けて力強い声で話しているような印象の文章は『ミクロコスモスT』に、身近に集まった人々に穏やかな声で語りかけている雰囲気の文章は『ミクロコスモスU』に収録しています。

(声のトーンの違いでTとUをわけましたが、もちろん厳密に区別できるわけではなく、あくまで編集者が感じた個人的印象によるものです)

タイトルはバルトークのピアノ曲集に由来しています。

たくさんの恒星と惑星、小惑星や彗星が集まって銀河を形成し、さらにいくつもの銀河を包摂して大宇宙が存在するように、この『ミクロコスモス』もまた、短編や掌編のひとつひとつが小宇宙をなし、それらがつらなって中沢新一の思想的宇宙を浮かび上がらせる、そんなシリーズであるように、という気持ちをこめています。

■『ミクロコスモスT』 『ミクロコスモスU』

発売日:2007年4月8日刊行

出版社:四季社 

定価:各本体1280円+税

ブックデザイン:小林春生(BOSCO)

■『ミクロコスモスT』「短い序曲」(全文)

 全六巻一五三曲からなる膨大なピアノ曲集『ミクロコスモス』を、バルトークは何気ない気持ちで作曲しはじめている。自分の幼い息子ペーテルのためのピアノ練習曲として作曲しはじめたのだが、それがしだいに拡大していき、ついには彼の作品のなかで最大のピアノ曲集として成長していったのだ。

 子供のためのピアノ教則本としてはじめられた試みではあったが、『ミクロコスモス』をとおして、私たちはバルトークの精神の奥底にまで引きずりこまれていくような体験をする。それは、このピアノ曲集を構成する一曲一曲はたしかに単純な構成をもった比較的短い曲ではあっても、その小さな一曲一曲に、バルトークは自分の獲得した音楽的技法と音楽的思考のエッセンスを凝縮してつめこんでいるからである。まさにその小さな一曲一曲が、彼の精神的宇宙の全体にもつながっていく“ミクロコスモス(小宇宙)”としてのまとまりを備えている。

 私がここに刊行を開始する『ミクロコスモス』シリーズは、このようなバルトークの精神に敬意をあらわし、そこに学ぼうとしている。このさき何巻にまで膨れあがることになるか予想もつかないが、それを構成することになる文章のひとつひとつが、私の思考の全体性へのつながりを保ったまま、“小宇宙”としてのたたずまいをしめしていると、読んだ人々に心づかれるようであってほしいものである。

 

■もくじ

『ミクロコスモスT』

 

短い序曲

夜の知恵                    

土器のなかのスローフード

孤独な構造主義者の夢想

二十一世紀に読む『悲しき熱帯』               

常識に抗して書かれた福音書                 

超核の神話  岡本太郎について     

哲学の後戸                  

人類普遍の学                    

心のトポロジーとしての建築学         

芸術人類学研究所を開く           

あとがき

 

 

 

 

 

『ミクロコスモスU』

 

短い序曲

369(小説)                    

女狐ビストロウシュカの教え            

耳のための、小さな革命                

途切れない記憶                   

アースダイバーのすすめ

庭園は民衆の阿片であった             

知恵の人 ミッシェル・セールを讃えて

吉本隆明さんをめぐる三つの文章        

陽気と客観                     

芸術とプライバシー                 

バルタバス革命                    

能の胎生学                     

水辺の革命碑                    

宗教はほんとうはもっと面白い            

緑の倫理学                      

いつもそばに本があった                

もういいかい? まあだだよ             

あとがき